しずかが癌になった:02:毛がぬけた
手術の翌日、しずかからのメッセージで〝まだ、しんどいから待て!〟がかかり、犬のように従順に待った。その翌日〝来てよし!〟の合図とともに高速に乗って岐阜県の病院まで走った。
しずかはおっぱいあたりから出てくる汁っぽいものをためる箱を首から提げてて、幼稚園児が弁当箱ぶらさげてるみたいだと二人で笑った。でもきっと痛いのをだいぶ我慢してたんだと思う。
手術後しばらくして本格的な治療がはじまった。それと同時にわたしたちも素人ながら出来ることを探しまくった。(素人がしゃしゃり出ると大概は良いことが無いのだが、わたしたちはそれなりに発見があった。)
もとみやわたし同様しずかを心配しまくっていたひとみは、むかーし覚えたという気功を改めておさらいし直し、しずかの痛みをやわらげる試みを繰り返した。←これがなかなか良い感じという発見。
癌の摘出手術をしたら次は抗がん剤治療になるよね。そうすると毛が抜けるよね。だったら帽子かウィッグいるよね…これはわたしの出番だわ!
ちょうど数年前、わたし自身がつるっぱげになったので、当時使用した医療用かつら(高いやつ)を保管していたのだ。
*つるっぱげ←自分自身に向けた言葉なので使うの許してください。
▲つるっぱげ克服後のわたしと、まだ地毛のしずか。
しずかはそのウィッグを美容院で自分風にアレンジしてその日に備えた。でも、結果的にしずかがそれをつけて外出することはなかった。ウィッグが必要になるほどツルツルになる前に、しずかの中でいろいろな心の変化があったから。←ここ大事。さすがしずか。
くやしいことに、しずかの頭蓋骨はきれいなまん丸で、とても形が良いので、ちょっと胡散臭い観音様風に見える。悪くない。わたしの時はどっから見ても落ち武者のような気の毒な風貌だったのに。(ノ_-。)
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*タイトル「しずかが癌になった」は、今から2年半前に癌を宣告された〝しずか〟と、積年の友人たちの今も続いているやりとりの記録です。良い方向に落ち着いて来たので記憶をたどりながら少しづつUPします。
*西洋治療・東洋治療の是非や、精神論的なものではありません。癌になった人、大切な人を支える人に、もしかしたら何かヒントになることがあるかもしれない。と二人(しずかとわたし)で相談して書くことにしました。
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